経済ニュース-06月06日

経済ニュースまとめ(2024年05月30日~06月06日)

米国

  • 05月30日: 1-3月期GDP(改定値)が前期比年率+1.3%に下方修正(速報値+1.6%)。個人消費の減速が影響。4月のPCEデフレーターは総合で前年比+2.7%、コアで+2.8%と、インフレ高止まりが示された。複数のFRB高官が利下げに慎重な姿勢を示唆。
  • 06月03日: 5月ISM製造業PMIは48.7に悪化(予想50.0、前月49.2)。製造業活動の縮小が続くことを示唆。4月のJOLTS求人件数は805.9万件に減少し、労働市場の軟化を示唆。
  • 06月05日: 5月ADP雇用統計は15.2万人増(予想17.3万人増)と市場予想を下回る。労働市場の減速を裏付ける。5月ISM非製造業PMIは53.8に改善(予想50.8、前月49.4)。サービス業の景況感改善が確認された。
  • 06月06日: 新規失業保険申請件数は22.9万件(予想22.0万件)と、前週から増加。

日本

  • 05月31日: 5月東京都区部消費者物価指数(CPI)は総合で前年比+2.2%、コア(生鮮食品除く)で+1.9%。変動の大きいエネルギーと生鮮食品を除く「コアコア」は+1.7%と、インフレ鈍化の兆候が見られた。
  • 06月03日: 日銀金融政策決定会合の「主な意見」が公表され、追加利上げや国債買い入れの減額に関する議論が活発に行われたことが示唆された。
  • 06月04日: 日銀は国債買い入れオペにおいて、残存10年超25年以下の国債買い入れ額を減額した。金融引き締めへの姿勢強化と市場に受け止められた。
  • 06月06日: 日銀の植田総裁は国会で、「適切なタイミングで国債買い入れの減額をする」と発言。

国際(関連ニュース)

  • 06月06日: 欧州中央銀行(ECB)が主要政策金利を0.25%引き下げ、G7の中央銀行では初めて利下げに転じた。

市場動向の考察

金利

  • 米国金利: 労働市場の軟化を示唆する経済指標(JOLTS、ADP、ISM製造業)が発表され、利下げ期待がやや高まった。しかし、PCEの高止まりやISM非製造業の改善、FRB高官のタカ派的な発言が利下げ時期を不透明にし、金利は一進一退の動き。ECBが利下げに踏み切ったことで、FRBへの利下げ圧力が間接的に高まる可能性も。
  • 日本金利: 日銀が国債買い入れを減額し、植田総裁が追加的な減額や利上げに前向きな姿勢を示したことで、長期金利は上昇圧力がかかった。10年物国債利回りは一時、12年ぶりの高水準に達した。

為替

  • ドル円: 日銀の金融引き締めへの姿勢強化(国債買い入れ減額、植田総裁発言)が円高要因として作用し、円は対ドルで強含んだ。一方、米国の経済指標はまちまちで、ドルは方向感に乏しい。ECBの利下げは、相対的にドルを押し上げる要因となり、ドル円は日米金融政策の方向性の違いと、FRBの利下げ期待の変動によって、引き続き変動しやすい状況。

株式

  • 米国株式: 労働市場の軟化を示すデータは利下げ期待を高め、株式市場にプラスに作用する場面があった。しかし、製造業の縮小や景気減速懸念が根強く、全体としては上値の重い展開。ISM非製造業の改善はサービス業の堅調さを示し、景気後退懸念を和らげる材料となった。エヌビディアなどAI関連株は依然として市場を牽引する力を持つ。
  • 日本株式: 日銀の金融引き締め姿勢が明確になったことは、金融引き締めが経済の足かせになる懸念や、円高による輸出企業の業績悪化懸念から、株式市場には重石となった。特に、これまで円安で恩恵を受けてきた輸出関連株は売られやすい展開。

ゴールド

  • 米国の経済指標で労働市場の軟化が示唆され、利下げ期待がやや高まったことは、金利を生まないゴールドにとってプラス要因。ドル安もゴールドの相対的価値を押し上げる。しかし、インフレ高止まりやFRBの利下げ慎重姿勢が金利上昇圧力を維持し、ゴールドの上昇を抑制する場面もあった。地政学リスクは引き続きゴールドのサポート要因。

BTC

  • リスク資産として株式市場、特にテクノロジー株との連動性が高い。米国の利下げ期待が強まる局面では買いが入る傾向にある。また、機関投資家の参入期待や、半減期後の需給要因も価格を支える。ただし、米経済指標の変動やマクロ経済環境の変化に敏感に反応し、乱高下する可能性がある。

    注意

    • 誤った情報を掲載している場合があります。ご了承ください。

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