経済ニュースまとめ(2024年06月03日〜06月10日)
米国
- 06月03日: ISM製造業PMIが48.7と予想を下回り、製造業活動の縮小が示唆された。
- 06月05日: ISM非製造業PMIが53.8と予想を上回り、サービス業の堅調さが示された。
- 06月07日: 5月雇用統計発表が最大の注目点となった。
- 非農業部門雇用者数: 27.2万人増(市場予想18.5万人増)と、予想を大幅に上回る強い結果。
- 失業率: 4.0%(前月3.9%)と、やや上昇。
- 平均時給: 前月比+0.4%(市場予想+0.3%)、前年同月比+4.1%(市場予想+3.9%)と、賃金上昇圧力も高いことが示された。
- この結果は、米国の労働市場が依然として非常に強いことを示唆し、FRBの利下げ開始時期が後ずれするとの観測が強まった。
日本
- 06月03日: 5月東京都区部消費者物価指数(CPI)が発表され、総合指数は前年同月比2.2%上昇。
- 06月07日: 4月家計調査発表。実質消費支出は前年同月比0.5%減少と、消費の回復ペースの鈍さが示された。
- その他: 6月13-14日の日銀金融政策決定会合を控え、国債買い入れ減額の可能性や追加利上げに関する思惑が市場で交錯。円安水準が継続し、政府・日銀の動向に注目が集まっている。
市場動向の考察
米国5月雇用統計の結果が、期間中の市場動向に最も大きな影響を与えた。
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金利(米国債利回り):
- 強い雇用統計を受け、FRBの利下げ観測が後退し、米国債利回りは急上昇した。特に2年債や10年債利回りは大幅に上昇し、利回りの上昇は週明けも続く展開となった。これは、金融引き締めが長期化する可能性を織り込む動き。
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為替(ドル/円):
- 米国の金利上昇(特に米国債利回りの上昇)により、日米金利差拡大の思惑からドル買い・円売りが加速した。雇用統計発表後、ドル/円は157円台後半から一時158円台に上昇。日銀の金融政策変更への思惑も一部で円を支える要因となったが、米国の金利動向が主導する形となった。
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株式:
- 米国株式: 強い雇用統計は、企業の収益力にとってはプラスとなる一方、金利上昇によるバリュエーションの圧迫要因となるため、好悪が交錯した。発表直後は金利上昇を受けて下落したが、その後はAI関連株(NVIDIAなど)の堅調さや景気への楽観的な見方から、全体としては底堅い動きを見せた。ただし、金利高止まりへの懸念は引き続き上値を抑制する要因。
- 日本株式: 米国株の下落を受けて、週明けに日経平均も下落する場面があった。しかし、円安は輸出企業にとっては収益押し上げ要因となり、一部の銘柄にはプラスに作用。日銀の金融政策決定会合を控えて、市場の警戒感も一部に見られた。
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ゴールド:
- ドル高と金利上昇は、一般的に金利を生まないゴールドにとって逆風となる。強い雇用統計を受けてドルが買われ、米国債利回りが上昇したため、ゴールド価格は大きく下落した。
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BTC:
- リスク資産としての性格が強いため、米国利下げ観測の後退や金利上昇は短期的にネガティブな材料となった。雇用統計発表直後は下落したが、その後は比較的早い段階で反発。米国でのビットコインETFへの資金流入や、市場全体の投機的センチメントに影響される側面も大きい。マクロ経済指標への反応はあったものの、独自要因も価格形成に影響を与え続けている。
注意
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