経済ニュースまとめ(05月20日〜05月27日)
米国
- 5月22日 (水)
- NVIDIA決算発表: 引け後に発表されたNVIDIAの2025年会計年度第1四半期決算は、売上高・EPSともに市場予想を大きく上回る好調な内容。2025年会計年度第2四半期の売上高見通しも市場予想を上回り、株式分割も発表。AI関連需要の力強さを改めて示した。
- FOMC議事要旨(5月会合分): 公表された議事要旨では、一部の連邦公開市場委員会(FOMC)参加者が、インフレがFRBの目標に向けて十分に減速しない場合、金利をさらに引き上げる可能性を排除しないことを示唆していたことが明らかになった。市場の利下げ観測を後退させる内容。
- 5月23日 (木)
- 製造業PMI速報値: 5月は前月比で上昇し、経済活動の堅調さを示す。
- サービス業PMI速報値: 5月は前月同様に堅調な内容。
- 新規失業保険申請件数: ほぼ横ばいで、労働市場の堅調さを維持。
- 5月24日 (金)
- 耐久財受注: 4月は前月比で増加し、企業の設備投資の堅調さを示唆。
- ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値): 5月は速報値から上方修正され、消費者マインドの改善を示した。
- FRB高官発言: カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁などから、インフレ次第では利上げの可能性に言及するタカ派的な発言が相次いだ。
日本
- 5月21日 (火)
- 消費者物価指数(CPI、4月): 全国消費者物価指数(生鮮食品を除く総合)は前年同月比+2.2%となり、市場予想(+2.5%程度)を下回った。特にサービス価格の伸び鈍化が目立った。日銀の物価目標(2%)は上回るが、追加利上げを急ぐ必要性が後退する内容と受け止められた。
- 5月22日 (水)
- 日銀金融政策決定会合の「主な意見」(4月会合分): 一部の委員が、為替動向や物価情勢次第で利上げの議論を開始する必要性に言及していたことが明らかになった。
- 5月24日 (金)
- 日銀総裁発言: 植田総裁は、データ次第で追加利上げの可能性を示唆しつつも、具体的な時期には言及せず、慎重な姿勢を維持した。
市場動向考察
金利
- 米国債: FOMC議事要旨で利上げの可能性が示唆されたこと、経済指標が概ね堅調であったこと、FRB関係者のタカ派的な発言が相次いだことにより、市場の利下げ期待が後退。これを受け、米国債利回りは週を通じて上昇基調となり、特に2年債や10年債利回りが大きく上昇した。
- 日本国債: 日本の4月CPIが市場予想を下回り、追加利上げへの期待が後退したことで、週前半は10年債利回りに低下圧力がかかった。しかし、日銀の「主な意見」で一部委員が利上げ議論に言及したことや、円安による輸入物価上昇への懸念、そして米国金利上昇の影響も受け、週後半にはやや持ち直す動きを見せたが、上昇幅は限定的だった。
為替 (ドル円)
- ドル高・円安が進行: 米国の利下げ期待後退(米金利上昇)と、日本の追加利上げ期待後退(日金利上昇限定的)の金利差拡大が明確になり、ドル円は週を通じてドル高・円安が加速。特に日本のCPI鈍化は円安を加速させる主要因となり、一時157円台後半まで上昇した。米国株の好調もドル買いを誘った。
株式
- 米国株 (S&P500): NVIDIAの市場予想を大きく上回る好決算が発表されたことで、AI関連株が市場を強く牽引。S&P500とナスダック総合指数は過去最高値を更新し、市場全体のセンチメントが大きく改善した。FRBのタカ派的な姿勢が示されたものの、NVIDIAの勢いがそれを上回り、テクノロジー株中心に上昇した。
- 日本株 (日経平均): 週前半は日本のCPI鈍化で追加利上げ期待が後退し、買い安心感から上昇する場面も見られた。しかし、週後半にかけては米国金利の上昇や日本の経済指標の弱さ(機械受注など)も影響し、方向感に欠ける展開となった。米国市場の好調に連れ高する場面もあったが、円安進行が輸出企業にはプラス材料となる一方、内需型企業にはコスト増の懸念も。
ゴールド
- 下落: 米国の金利上昇とドル高が重しとなり、ゴールド価格は週を通じて下落基調となった。利息のつかないゴールドは、金利が上昇すると相対的な魅力が低下するため、FRBのタカ派的な姿勢が明確になったことが売り材料となった。
BTC (ビットコイン)
-
軟調: 米国金利の上昇とドル高、そして主要な資金がNVIDIAを筆頭とするAI関連株に向かったことで、リスク資産であるビットコインへの新たな資金流入は限定的だった。週を通じて6万ドル台前半から中盤で推移し、積極的な買い材料に乏しく、やや軟調な動きが見られた。
注意
- 誤った情報を掲載している場合があります。ご了承ください。
コメント